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健康セミナー
2014年分

☆は現在在職しておりません。

第229回: 手指のこわばりの話』

整形外科 寺山 恭史
(東京女子医大整形外科学教室助教 日本整形外科学会認定整形外科専門医 日本手外科学会認定手外科専門医)

 最近手指の関節がこわばる、動かしづらいという症状。年のせいだからと思ってはいませんか。
 バネ指(手指屈筋腱の腱鞘炎)という病気は、指を曲げる腱が手の平の部分で滑走が悪くなってしまうために、手がこわばったように感じます。指の関節が曲がりづらくなるので、指の病気のように思われがちですが、実は炎症が起きているのは主に手の平の部分です。
 よく、炎症部分を揉みほぐしたり、マッサージをうけたりしている方がいますが、それはむしろ炎症を悪化させてしまいます。治療は手をあまり使わないように安静にすることと、指のストレッチが基本です。
が、病歴の長い方、症状の重い方には腱鞘内注射がよく効きます。しかし、症状を何回も繰り返してしまう方には、手術療法をお勧めすることもあります。
 指が何となく使いづらいけど、病院に行く程じゃないからと、間違った自己治療をしている方が多くいらっしゃいます。また、動かすと痛いからとあまり動かさない状態を長い間放置してしまうと、関節が固まってしまうこともあり、注意が必要です。似た症状が出る病気として、指の変形性関節症や、関節リウマチなどの病気もあります。
 たいした症状ではないと感じるかもしれませんが、診断、治療法を間違えると、長い間手の使いづらさに悩むことになることがあります。
 気になる方は整形外科医や、手外科専門医にご相談ください。

第228回: 禁煙と肺がん

外科 浅川 文香 ☆

 最近、外来で禁煙治療を行うことが可能になり、禁煙に対する世間の関心がますます高まってきました。私自身も「禁煙したほうがいいですよ」と患者さんによくお話しします。
 もちろん、禁煙を勧めるのには理由があります。喫煙者は非喫煙者と比較して、肺がんや肺気腫など肺の病気だけではなく、歯周病や舌がん、咽頭がんなど「タバコの煙の通り道」の病気、心筋梗塞などの血管の病気にかかる危険性が明らかに上がるからです。今回はその中でも特に肺がんにスポットを当ててお話をします。
最近の報告では、喫煙者は非喫煙者の4倍肺がんにかかりやすいと言われています。初期症状は咳や血痰、胸痛などが一般的ですが、喫煙者は日頃から咳ばらいや痰の排出が多く気付きにくいこともあります。実際には検診で指摘されて病院を受診する方も数多くいます。
 CT、PETや気管支鏡で肺の組織の一部を取るなどの検査をして診断します。治療は外科療法、化学療法、放射線療法が基本で、これらを単独で、あるいは組み合わせて治療します。
 外科療法は肺の状態や他の疾患の状態を考慮した上で、比較的初期の患者さんに適応されます。化学療法は「抗がん剤」のことで、内服・注射など様々な種類があります。放射線療法は、がんのある部位に放射線を当てる治療です。
 自分で決心して禁煙するにしても、治療するにしても、自分の意志が最も重要です。禁煙したい方は、まず出来ることから始めてみてはいかがでしょうか。

第227回: カメラで取れる胆石・取れない胆石

外科 近藤 純由(いと) ☆
(日本外科学会専門医 日本消化器外科学会専門医 日本大腸肛門病学会指導医 日本消化器内視鏡学会専門医)

 実り豊かな秋を迎えて、日々ご馳走に舌鼓をうたれている方も多いことでしょう。ところが、ご馳走を食べたとたんにみぞおちや右のあばら骨付近に痛みや違和感を覚えたことのある方は多いのではないでしょうか。胃薬を飲んでもよくならず、胃カメラでも異常がないけど痛みが続くということで、外来を受診される患者さんが少なくありません。
 これは胆石(たんせき)発作の典型的な症状です。胆石には大きく分けて2種類あり、胆嚢(たんのう)と呼ばれる袋のなかにできる胆嚢結石と胆管(たんかん)と呼ばれる細い管にできる胆管結石があります。
健康診断の超音波検査で胆石がありますねと言われた場合は、通常胆嚢結石のことを指します。胆嚢結石はカメラ(内視鏡)が届かない場所にできることから、カメラでは取れません。
近年では発作から3日以内に手術することが勧められており、腹腔鏡(ふくくうきょう)手術が広く行われるようになってきています。
一方で、胆管結石は石の大きさや数にもよりますが、大半は特殊なカメラで取ることができます。しかし、胆嚢結石とは異なり超音波検査では見つけづらいことが多く、診断にはCTやMRI検査が必要です。最近では80歳以上の高齢患者さんが増えてきており、腹痛がなく食欲不振や発熱のみで発症し重症化することもあるため、注意が必要です。
 胆石かも?と思われた方はお気軽に医療機関へご相談ください。

第226回: インプラント治療のリスクファクター

歯科口腔外科 田中 憲一

 インプラント治療を安全にそして確実に行うためには、リスクを理解し、それに対応することが必要となります。一般的に年齢は問題になりません。健康であれば何歳でも治療可能ですが、顎骨の成長途中にある未成年者には適応できません。喫煙は創傷の治癒に影響するため成功率を低下させることが明らかとなっています。全身的なリスクとしては服用薬の問題があります。循環器疾患や脳血管障害のために抗血栓療法(血液をサラサラにする薬)を受けている場合は事前の血液検査や医科担当医との連携が必要です。原則として薬の服用は継続し局所止血で対応しますが、皮下出血や腫れが出現する可能性が高いため、多数の埋入は避けます。骨粗鬆症の為にビスホスホネート系薬剤を長期服用していると薬の副作用により顎骨壊死が起こることもあります。コントロール不良の糖尿病の場合は、細菌感染が問題になります。局所的なリスクとしては、骨量と骨質が最大の問題点です。垂直・水平的な骨量が十分にあり緻密な骨質の場合は、十分な初期固定が得られ手術と同時に仮歯を装着することも可能です。しかし骨が十分に無いと上アゴの奥歯は短いインプラントしか埋入できず強い咬合力を負担できないため上顎洞に骨移植が必要になります。下アゴでは神経や血管損傷の問題があり、術前のCT検査と慎重な手術手技が求められます。歯ぎしり・食いしばりが強いと周囲の骨吸収が進み、インプラントに装着する歯冠を固定するネジの緩みや、破折のリスクが高くなります。そして隣の歯の歯周病のコントロールは長期的な予後に最も影響します。すべての人にインプラントが適用できるわけではなく過度の期待は危険ですが、リスクを担当医と共有し、一つずつ慎重に対応することでインプラント治療は患者様のQOLの向上に必ず貢献できるものと考えます。

第225回: 胃がん検診と鼻からの胃カメラ検査

総合診療科 濱田 節雄
(指導医・専門医:日本外科学会 日本消化器外科学会 日本消化器内視鏡学会 日本消化器病学会 日本大腸肛門病学会)

私は週1回鼻からの胃カメラ検査(半日で約12名)を行っています。鼻からのカメラの特徴は先端の太さが5.9㎜と細く(口からのカメラより3㎜細い)、柔らかく、舌の根元に触れないため、「オエッ」という吐き気をもよおす事が少なく、検査中、話もできます。また、鼻からの局所麻酔のみなので、検査後30~60分で食事も可能です(口からのカメラの時は1~2時間かかります)。鼻からのカメラは「楽だ」とされ、経験された90%以上の方が「次回も鼻から」を希望されます。私自身も自分が受けるなら鼻からのカメラを希望します。私は約90%の方に鼻からのカメラを行っています。10%の方は口からを希望される方や鼻の孔が狭い方で、同じ細いカメラで口から行っています。鼻からのカメラの画質は口からのカメラと遜色無く、カメラの鉗子孔から鉗子を入れ、診断のための組織を採れます。ただ欠点は鉗子孔が細い事とそのため吸引力が弱い事で、早期胃がんやポリープの切除、出血部位の止血治療には不向きです。しかし最近では鉗子孔が太いカメラや先端の太さが更に1㎜細いより楽なカメラが作られています。また、数%の頻度で鼻の孔がやや狭い方は少量の鼻出血を生じますが、検査後鼻を押さえていれば止血されます。健康診断として極細の鼻カメラを行い、早期胃がん等が見つかれば口からのカメラで切除する時代が来ています。

第224回: 鼻づまりの弊害

耳鼻咽喉科 合津 和央 ☆
(日本耳鼻咽喉科学会専門医)

アレルギー性鼻炎の症状と言えばくしゃみ、鼻水、鼻づまり(鼻閉)です。くしゃみや鼻水もつらい症状ですが、全身的な悪影響はあまりありません。ところが鼻閉は全身に様々な合併症を引き起こす場合が有り、長く放置してはなりません。

「口で呼吸できるから大丈夫」と思っていたら大間違いです。口呼吸は、口と喉を乾燥させます。口が渇くと口臭や、歯周病になりやすいなどの弊害が有ります。
 喉の粘膜は乾燥すると免疫の働きが低下するので、風邪をひきやすい、風邪がなかなか治らないなどの症状につながります。
 鼻は空気の汚れを取り除くフィルターです。口呼吸が続くとほこりが肺に入りやすくなり喘息発作のきっかけにもなります。
 誰しも風邪をひいて夜間鼻閉で眠れなくなった経験があることと思います。鼻づまりで口を開けて寝ていると、舌の位置は口を閉じているときより下方に落ち込みます。気道が狭くなり、呼吸が止まってしまうと息苦しくなるので眠れなくなります。これを睡眠時無呼吸症候群といいます。睡眠時無呼吸症候群では脳に酸素が十分届かないため、朝の頭痛、目覚めがすっきりしない、寝不足で日中眠くなるなどの症状が現れます。
 重症の睡眠時無呼吸では、心臓に負担がかかり、高血圧や心不全などの危険な合併症を生じることもあるのです。
 2週間以上続く鼻閉や、朝起きると常にのどが乾燥している症状のある方は必ず耳鼻咽喉科での診察を受けることをお勧めします。

第223回:専門外来「総合歯科外来」
ーなかなか良くならない口の中やあごの痛みに専門医のチームアプローチー

歯科口腔外科 秋月 弘道
(昭和大学非常勤講師 日本口腔外科学会指導医 日本口腔外科学会専門医)

治療を行っても、なかなか良くならない口の中やあごの痛み、うまく噛めないなどの症状が長く続く場合があります。これらの症状は、むし歯や歯周病だけでなく、入れ歯、あごの骨や関節、粘膜や唾液腺、神経痛などの病気や全身的な糖尿病や骨粗鬆症などが原因のことがあります。また、必ずしも一つの原因ではなく、重複することも多くあります。近年、歯科医療においても専門化、細分化が進んでいるため、これらの治療に複数の専門医が携わることが必要になる場合があります。当院では、従来より地域完結型の二次医療機関をめざして歯周病、歯科補綴(入れ歯)、歯科矯正(歯並び)、歯科口腔外科の専門外来や口腔ケアセンターを開設し、多くの患者様の治療にあたってまいりました。今回、なかなか良くならない舌や口腔粘膜の痛み、異和感、味などの感覚の異常、口腔の乾燥症、あごの痛み、うまく噛めない、などの様々な症状にたいして歯科の各専門医が連携して関わりをもちながら治療にあたるとともに、糖尿病、心疾患、骨粗鬆症など歯科治療に関連する全身疾患への対応が必要な場合には、当院の内科、外科、整形外科、耳鼻咽喉科などとスムーズに併診できるように連携を強化した総合的なチーム診療の窓口として「総合歯科外来」を開設いたしました。今後とも、より充実した地域医療を目指して診療をおこなってまいります。

蓮田病院「総合歯科外来」 <診療受付> 毎週月曜日午前9時~午前10時30分 ℡048-766-8111(代)

第222回:外来での抗がん剤治療(化学療法)について

外科 長谷川 久美

 抗がん剤は、がん細胞の増殖を抑えることを目的とした薬剤です。当院では、2階外来に化学療法室を設けており、ここで、医師、担当看護師、薬剤師による管理協力のもと、胃大腸などの消化器がん、乳がんなどの患者さんの外来抗がん剤治療を行っております。
 抗がん剤といっても、がんの種類や時期によってほんとうにさまざまです。また投与方法の工夫や新たな薬の開発により、効果は年々向上しています。抗がん剤はがん細胞だけでなく健常な細胞にも障害をきたして副作用をきたすことがありますが、副作用を予防する薬、痛みを緩和するモルヒネ製剤も改良されてきており、患者さんへの負担苦痛は以前よりだいぶ和らいでいます。
 そこで外来通院で抗がん剤治療を受ける患者さんが増えてきてきました。外来抗がん剤治療の利点は、家族と一緒に過ごす時間が増える、趣味や仕事が好きな時間に好きな場所でできるなど、健康な方と同様の日常生活を過ごせることです。
 外来抗がん剤治療を受ける場合、いくつか注意点があります。病原体に対する抵抗力が低下しますので、手洗いうがいなど感染予防をしっかり行うことです。また時に重篤な副作用が出る場合もあるので、何かあればすぐご相談いただくことが重要です。

第221回:最近の「ヘリコバクター・ピロリ菌」の話

外科 兼子 順
(東京医科歯科大額医学部臨床教授 日本外科学会認定専門医 日本消化器外科学会認定医 日本消化器内視鏡学会専門医 厚労省認定臨床研修指導医)

日本でヘリコバクター・ピロリ菌に感染している人は少なくとも3000万人以上といわれています。とくに50歳以上の人で感染している割合が高いとされています。しかし衛生環境が整ったことによってピロリ菌に感染している割合は年年減少しており、若い世代では低くなっています。ピロリ菌に感染すると胃炎になります。
ピロリ菌による胃炎は、以下の様々な病気の原因や病気に関連することがわかっています。萎縮性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃過形成性ポリープ、胃がん、胃MALTリンパ腫、機能性ディスペプシア(上腹部不定愁訴)、鉄欠乏性貧血、慢性じんましんなど。 胃・十二指腸潰瘍の患者さんの約85%はピロリ菌に感染していて、ピロリ菌がいると、潰瘍に対する治療で一時的に治っても一年後には多くの患者さんが再発してしまいます。
ピロリ菌を除菌すると、潰瘍の再発はほとんどなくなりますので、ピロリ菌感染があれば除菌内服治療を行うべきです。また、早期胃がんに対して内視鏡治療を受けた患者さんにピロリ菌を除菌することにより、別の部位にできる新しい胃がんの発症率が3分の1に減少しました。
本邦の除菌成功率は3%程度とされていますが、最近の南米七カ国の統計によると、除菌に成功した一年後の再感染率が12%もあることがわかりました。除菌が成功したあとでも、胃がんが発見されることがありますので、定期的に胃の内視鏡検査や胃がん検診を受けるようにしてください。

第220回:認知症は早期発見・早期治療が大切です!

総合診療科 山形 健一
(日本外科学会専門医/指導医 日本消化器内視鏡学会専門医 日本消化器外科学会認定医 日本癌学会会員)

「認知症」とは、ある状態を表す言葉であり、特定の疾患を示す言葉ではありません。その代表的な症状は、①物忘れがある。②物事の理解力や判断力が衰えている。③日常生活に支障が出ている。厚生労働省研究班が発表した調査によると、2012年時点での認知症の方は全国で約462万人に上り、65歳以上の高齢者の15%に相当します。この研究では、認知症を発症する前段階である軽度認知障害も推計約400万人でした。認知症を呈する疾患の内訳では、初老期から老年期に好発し、大脳全般の委縮を伴うアルツハイマー型認知症が67.6%、脳出血や脳梗塞のあとに認められる脳血管性認知症が19.5%と、この両者で約9割を占めます。認知症状を呈する最大の疾患・アルツハイマー型認知症は、ゆっくり発症し緩徐に進行します。また麻痺やふるえなどの神経症状を伴うことはまれなので、早期発見が難しいことも事実です。しかしアルツハイマー型認知症は、放置すれば確実に進行します。発症から約5年で尿失禁や便失禁がみられ、やがて咀嚼・飲み込み機能が障害され、10数年で死亡することもある怖い病気なのです。現在、アルツハイマー型認知症の症状を改善させ、進行を遅らせる薬物療法や行動療法がさまざま考案されています。そしてその治療効果を大きくするために最も大切なことは、早期発見・早期治療なのです。みなさんの身近にいる高齢者の方が、最近同じことを何回も言ったり聞いたりする、だらしなくなった、ささいなことで怒りっぽくなった、物忘れやしまい忘れが目立つ、財布を盗まれたという、物の名前が出てこなくなった、などの日常生活の変化に気付いたら、お医者さんに相談しましょう。

第219回:糖尿病と認知症

総合診療科 石田 孝雄 ☆
(日本消化器外科学会認定医/指導医 日本消化器内視鏡学会専門医/指導医 日本外科学会外科専門医/指導医)

糖尿病で通院治療されている患者さんは多く、そのうち糖尿病薬の投薬によってコントロールされている方は糖尿病患者さんの9割以上を占めます。ご存じの通り、糖尿病を放っておくと眼、腎臓、神経や血管が痛めつけられることは常識となりつつありますが、案外知られていないのは、糖尿病と認知症の関係です。血液の中の糖の濃度はインシュリンというホルモンで一定に保たれておりますが、糖の濃度が極端に上がったり下がったりすると脳の神経細胞が痛めつけられます。またインシュリンの濃度も神経細胞に微妙な変化を及ぼすとされております。糖尿病が長引くと神経が痛めつけられたり、あるいは、痛めつけられて損傷した脳細胞がそのまま修復されなかったりします。当然、脳の神経細胞が損傷することで各種の神経機能が低下するのです。ある調査では、高齢者で認知症のある方に糖尿病が多いという結果が出ており、逆に、糖尿病のある方が認知症になりやすいと言う意見が出ています。認知症があると、服薬がおろそかになったりしますし、あるいは栄養管理が不十分になることで糖尿病が悪化することが予想されます。また、糖尿病により神経組織が長年にわたり痛めつけられている状態が継続することで、脳神経が衰えることが容易に想像できます。糖尿病が始まるのは比較的まだ若い時期ですが、せっかくこれから『ハッピーリタイア』と『豊かな老後を送ろう』と考えているときに、糖尿病が現れ血糖管理をおろそかにしていると、認知症に陥る時期が早まります。軽度の糖尿病の方こそ、いろいろな機能が悪化しないための十分な方策をとっておくことが大切です。当院総合診療科では、あらゆるお薬を動員して糖尿病コントロールに邁進しております。お悩みの方は気軽にご相談ください。

第218回:新年のごあいさつ

理事長 前島 静顕 ☆
(東京医科歯科大学大学院臨床教授 日本外科学会認定指導医 日本消化器外科学会認定医)

新年明けましておめでとうございます。
平成26年年頭にあたり昨今の医療環境・社会情勢などについて所感を述べさせて頂きます。我が国の平均寿命は男性79歳(世界12位)、女性86歳(世界1位)、男女総合83歳(世界1位)でトップクラスの国別順位にはなっていますが、一方、平均寿命から介護年数(自立した生活ができない年数)を引いた数と定義されます健康寿命はどうかとみますと、WHO保健レポートでは男女総合75歳で平均寿命との間には8年の差があります。さらにWHOと定義は異なりますが、2012年の我が国の厚生労働省の統計データとは約10年もの差が存在します。
私は、幸せな人生とは「単に長生きする事ではなく、健康で質の高い生活を維持できてこそ」と思っています。ブータン王国が世界第1位と話題にもなりました「国民総幸福量(GNH)」(精神面での豊かさの値として、国民の社会・文化生活を評価・比較・考察する)が、今後は一人一人の人生・社会生活においての幸福度の重要な尺度になると感じています。我が国の国民総幸福量は世界では中位に位置している現況で、まだまだ克服すべき課題が沢山あります。TPP交渉による世界に誇るべき現行の我が国の医療制度が、TPP交渉により破壊される事も懸念されます。

蓮田病院は職員一同「思いやりのあるやさしい医療」「最新の高度医療」の理念の実践を心掛け、地域医療機関との連携強化、地域の住民の方々との信頼関係構築に日々努めてまいります。
 本年も地域の皆様がご健勝で御多幸でありますよう祈念いたします。

当院は今後さらなる医療の発展のため、ソフト面の整備の充実をはかり、
当院の設立の原点である「思いやりのあるやさしい医療」と「最新の高度医療」の実現に向けて努力を続けていきます。

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