健康セミナー 令和3年分 | 蓮田病院

健康セミナー 令和3年分

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第305回:『急に食事を取らなくなった!顎関節脱臼(がくかんせつだっきゅう)かも』

 歯科口腔外科 秋月 弘道
(日本口腔外科学会指導医 日本口腔外科学会専門医)

 あくびをしたり、歯科治療や胃の内視鏡検査の時に大きく口を開けると、あごの関節の正常な動きの範囲を越えて、関節が外れて口が閉じられなくなることがあります。これが顎関節脱臼です。
 顎関節脱臼には突然に起こるものや、ちょっとしたことで繰り返し関節が外れてしまう(習慣性脱臼)、また、関節が外れた状態で長い間、放置されると陳旧性顎関節脱臼となることもあります。顎関節脱臼の症状は顔が面長となり、口が閉じれなくなる、上手く話せない、上下のかみ合わせが悪くなるなど診断は難しくありません。
 しかし、認知症などで自分の症状が訴えられない場合や、とくに歯がない無歯顎の方は咬み合わせの異常の確認が難しく顎関節の脱臼に気がつかれないこともしばしばあります。急に食事を取らなくなった、噛めなくなった、飲み込めなくなった、義歯があわなくなったなどの症状は、しばしば顎関節脱臼が原因になっていることがあります。食べ物を噛むために顎を動かす機能(咀嚼機能)が障害されると、日常生活の質(ADL)の低下や認知症が進みやすくなるといわれています。
 突発性の顎関節脱臼は通常、徒手整復により治療できますが、習慣性脱臼や陳旧性顎関節脱臼では整復しても繰り返し脱臼したり、徒手整復できないことがあります。このような場合は外科的な手術によって治療することができます。最近では手術も比較的体に侵襲の少ない手術法で行われるようになっています。
 前記のような症状が見られた場合、かかりつけの歯科医や口腔外科に相談されると良いと思います。

第304回:『コロナ禍における検診の重要性』

 外科 兼子 順
(東京医科歯科大学医学部臨床教授 日本外科学会専門医/指導医 日本消化器内視鏡学会専門医/指導医 厚労省認定臨床研修指導医)

 がんを治療・克服するためには、早期発見・早期治療が重要になります。そのためには、定期的にがん検診を受ける必要があります。「新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、がん検診の受診者は激減しています。一般的に、がんは早期発見ほど治りやすく、発見が遅れるほど、治療が困難になります。コロナは防いだけれど、がんが進行していたとなっては本末転倒です」と日本対がん協会から発出されています。
 厚生労働省は、胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・子宮頸がんに対し、定期的にがん検診を受けることを推奨しています。これらのがんは、がん検診を行うことで集団の死亡率を下げる効果があることが科学的に証明されています。
 新型コロナウイルス感染症に対する感染防止対策を徹底するため、日本対がん協会、日本総合健診医学会など健診に関連する8団体は合同で、「健診実施機関における健診実施時の新型コロナウイルス感染症対策」をまとめました。
 当院検診センターも、コロナ対策として受診者の密集を避けるため、1日の予約者数、予約時間等を調整し、検診受付後は速やかに問診、体温測定を行い、受診者の健康状態を確認しています。受診者間や受診者と職員の間の距離を確保するとともに、検診に要する時間も可能な限り短縮の方向で取り組んでいます。
 新型コロナウイルス感染症を漠然と怖がるよりは、正しい知識を持って対策し、ご自身の健康状態を検診によってチェックして健康を維持することが重要とされています。

第303回:『耳鳴りはなぜ起こるの?』

 総合診療科 山形 健一

 気にすれば気にするほどしつこく鳴り続ける耳鳴りは本当につらいものです。わが国では300万人以上の患者さんが耳鳴りの苦痛に悩まされています。外耳道に生ずる耳垢や外耳炎、中耳が障害される中耳炎、内耳が障害される加齢性難聴・メニエール病・突発性難聴などにより耳鳴りが発生します。炎症が原因の耳鳴りは治療によって落ち着きますが、内耳が原因の耳鳴りは難治性のことが多いのです。難聴と耳鳴りは密接に関係しています。
 音を聞くために重要な内耳の蝸牛が障害される加齢性難聴や突発性難聴では、蝸牛から脳へ伝わる音の情報量が減ってしまいます。すると脳に過剰な興奮が生じ、耳鳴りとなって現れると考えられています。
 耳鳴り自体は異常なものではなく、誰にでも生じます。そして多くの方は耳鳴りに慣れ、ふとした時に感じる程度に落ち着きますが、その一方で耳鳴りを極端に気にしてしまい、いつも耳鳴りがしているか確認してしまう方もいます。
 そのメカニズムには、不安などの苦痛を感じる脳の部位が関係しているといわれています。耳鳴りに対する怒りの感情が自律神経系を興奮させ、脳は耳鳴りをより大きく感じてしまいます。難聴が原因の耳鳴りに対しては補聴器を装用して音をきちんと脳に届けることで、脳の過剰興奮を抑え、耳鳴りを軽減することができます。耳鳴りに対する不安や怒りの感情から、耳鳴りに対する過剰反応が生じている場合は、この反応をさらに刺激すると考えられている仕事・人間関係などの日常ストレスを改善することが大切です。
 耳鳴りは不眠や不安など生活の質を低下させます。耳鳴りを感じたら、不安や怒りを覚える前に耳鼻科専門医にご相談ください。

第302回:『新型コロナウイルス』

 理事長 前島 顕太郎
(日本医科大学非常勤講師 日本外科学会指導医/専門医 日本消化器外科学会指導医/専門医 日本消化器内視鏡学会指導医/専門医 日本消化器病学会指導医/専門医 日本消化管学会胃腸科指導医/専門医/認定医 日本大腸肛門病学会指導医/専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 消化器がん外科治療認定医 日本食道学会食道科認定医 厚生労働省認定臨床研修医指導医)

 新年あけましておめでとうございます。皆様お健やかに新春をお迎えのことと存じます。
 現在も続いていることと思われますが、昨年といえば「新型コロナウイルス」です。コロナは全世界で広がりを見せ、疾患としての健康被害だけではなく、人々の生活を制限することとなり、経済的被害も甚大であります。
 昨年を見る限り、夏のような高温多湿では流行らないのではないかという淡い期待も外れました。このため今年の冬のインフルエンザ流行期には、発熱患者様が感染症なのか、それ以外なのか、感染症であれば、コロナなのかインフルエンザなのか、またはその他の感染症なのかを見極めることが重要となります。
 今のところコロナの感染力は強いと思われるため、見誤るとたちまち感染が広がることが危惧されます。全世界各地で治療薬、ワクチンの開発が進められていますが、実際安心して安全にかつ有効に使用できるまでは時間がかかると思います。
 それまでは、感染症対策の基本を続けることが肝要です。今一度、確認し行いましょう。
 感染症防止の3つの基本は、①身体的距離の確保(ソーシャルディスタンス)②マスクの着用③手洗い・手指消毒です。

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