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『がんゲノム治療』

  • 2024.02.16

総合診療科 山形 健一

 以前、私がこのセミナーで取り上げたことのある女優アンジェリーナ・ジョリーさんの遺伝性乳がんについて、まだご記憶の方もいらっしゃるでしょうか。

 遺伝性乳がん卵巣がんや、大腸がん子宮体がんが家系内に多く発生するリンチ症候群と呼ばれるものがあります。リンチ症候群は、比較的若い年齢で大腸がんや子宮体がんを発症し、胃、胆のう、すい臓、小腸、脳などの腫瘍が本人や家族に重複して発症する特徴があります。

 リンチ症候群の検査にはまずMSI検査があります。これは手術や内視鏡検査の際に切除したがん組織を使い、MSI検査で陽性であった場合、リンチ症候群確定診断のための遺伝子検査を行います。

 近年のがん治療では多数の遺伝子変化を同時に調べて遺伝子の異常を明らかにし、一人一人の体質やがんの特徴に合わせて治療法を選択する『がんゲノム治療』が積極的に行われています。

 ゲノムとはDNAの文字列に表された遺伝情報のことで、ヒトゲノム約30億個の中に約2万3000個の遺伝子が含まれています。この遺伝子に異常が起こると様々な病気の原因となるのです。

 もちろん一般のがんのほとんどが親から遺伝しているわけではなく、遺伝に関係のないがんも数多く存在しています。ただ遺伝性腫瘍の患者さんに対し、最近では非常に効果のある分子標的薬が開発されてきています。

 詳しい情報をお知りになりたい方は主治医の先生にご確認ください。アンジーるより生むがやすし。

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