外科 兼子 順 (東京医科歯科大学医学部臨床教授 日本外科学会専門医/指導医 日本消化器内視鏡学会専門医/指導医 厚労省認定臨床研修指導医)
わが国では、がんによる死亡者数が多くても、がん検診の受診率は欧米に比べて低いのが現状です。日本では、女性のがんによる死亡原因のトップは大腸がんですが、その検診受診率は約23%です。また、男性では肺がんが死因の1位ですが、こちらも受診率は26%程度です。受診しなかった人の半数以上が、「心配ならいつでも受診できる」「時間が取れない」などを理由に挙げています。がん検診の普及拡大が、がんによる死亡者を減らすことにつながると見られています。
がんを早期発見し早期治療ができればメリットがあります。①手術も進行がんに比べて縮小手術が可能となり、乳がんなら乳房温存術、胃・大腸がんなら開腹せずに内視鏡でがんの部分を切除することも可能です。②手術・放射線治療・薬剤治療など治療期間や入院日数が短くなるので経済的負担も少なくて済みます。③職場への復帰も早く、家族への負担も少なく、治療後の日常生活にも影響が少なくて済みます。
蓮田病院検診センターでは、子宮がんを除く各種がん検診(肺・乳腺・胃・大腸)を行っています。人間ドックに至っては、ほぼ同じ検査内容で都内相場の約半額の4万8400円で検査できることと、蓮田市・白岡市在住の方は2万7000円還付により、実質2万1400円の支出、久喜市在住の方は2万8000円の還付により、実質2万400円の支出で人間ドックが受けられます。ご自身のためにも、ご家族のためにも、がん検診に関心を持ち、定期的に検診を受けましょう。