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『高齢者の歯科治療』

  • 2023.11.10

 歯科口腔外科 田中 憲一

 高齢社会と言われる現在、高齢者の歯科治療は日常的におこなわれています。別に高齢だからと言って特別扱いするな!と思われるかもしれません。しかしながら、お元気そうに来院される高齢者のほとんどが有病者であるのが実態です。高血圧患者の術中異常高血圧、糖尿病患者の創部感染、抗血栓薬を服用している脳梗塞・心筋梗塞患者の創部出血等のリスクがあることは皆さんご存じだと思います。最近、特に注意が必要なのは骨粗鬆症やがんの骨転移による高カルシウム血症の治療に使用される骨吸収抑制剤です。錠剤、ゼリー、点滴、静脈注射など様々なタイプがあります。長期の使用により骨吸収抑制薬関連顎骨壊死と言われる骨髄炎となりアゴの骨が口腔内に露出、重症になると顔に穴が開き排膿してしまう事があります。細菌感染に起因するので、予防するには副作用の出現リスクのある骨粗鬆症の薬を使用開始する前に、口腔内検査、歯科治療、口腔ケアが重要となります。ある種のリウマチ治療薬の副作用で節外病変としてリンパ腫が口腔粘膜に発症することもあります。薬の使用を中止しても変化無い場合は悪性腫瘍としての治療が必要になります。がんのため放射線治療をしたことのある患者様は放射線性骨髄炎となりアゴの骨が腐った様な状態となってしまうこともあります。薬の服用情報は歯科医療の治療方針を決めるための有力な情報となります。歯科を受診される場合もおくすり手帳などを必ず持参し、定期的な点滴、注射や放射線治療、抗がん剤治療の情報などを事前に文章にまとめておいて提出されると診察がスムーズになります。高齢者の安全な歯科治療のためには慎重な情報収集と血液検査などのデータが必要となります。

当院は今後さらなる医療の発展のため、ソフト面の整備の充実をはかり、
当院の設立の原点である「思いやりのあるやさしい医療」と「最新の高度医療」の実現に向けて努力を続けていきます。

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